省エネ型膜分離活性汚泥処理システムの開発

摘要

膜分離活性汚泥法（以下、MBR）は、生物処理と膜処理を組み合わせた排水処理技術である。MBRは、再利用可能な清澄な処理水が得られること、また、施設がコンパクトになる長所を有する。その一方で、下水分野における既設水処理施設の高度化·高機能化用途等、更にMBRの普及を拡大するためには①MBRシステムの消費電力削減、②水量変動への対応が課題である。当社は1988（昭和63）年よりMBR用途向け浸漬型膜ろ過装置「液中膜」、及び液中膜を用いたMBRシステムの開発に着手した。1991（平成3）年の上市以降、下水や産業排水等の分野において国内外で4，800件以上の施設に膜ろ過装置を納入してきた。近年は、上述する課題解決に向けて、新型膜ろ過装置及び同装置を用いたMBRシステムの開発に取り組んでいる。本稿では、その取り組みを報告する。