嫌気性膜分離法と正浸透膜による省エネ型下水処理システムの検討

摘要

有機性排水の処理方法として、嫌気性生物理法はェネル ギーをメタンガスとして回収できることから有効な方法と考えられるが、関与する生物の生育きが高いため、下水のような低濃度排水に適用する埸合は、昇温に要するエネルギーが回収できるエネルギーを上回り導入メリットが小さくなる。著者らは、これまで、正浸透（Forward　osmosis ： FO)膜を用いて下水を10倍以上に濃縮できることを報告し、濃縮下水を嫌気性膜分離法(Anaerobic membrane bioreactor ： AnMBR)で処理することにより、下水からメタンガスを回収できる技術を提案してきた。膜分離法では、膜の目詰まりにより引起こされる膜ファゥリングがとなるが、AnMBRについては、ファゥリング物質の組成についての報告はあるものの、膜ファゥリングに影響すると予想される反応槽内におけるファゥリング物質の消長についての検討はなされていない。ここでは、有機物負荷を段階的に変化させた場合の反応槽内におけるファゥリング物質の挙動について報告する。