材料選択戦略における「レアメタルパニック」への対策

摘要

デジタル家電に欠かせないレアメタル（31元素の総称）の国際相場がここ数年高騰している。 しかし，資源を持たない日本の産業界は資源国からの輸入に頼り，対策をほとんど立てていない。 レアメタルの入手が危機的に困難になり，それが日本の産業界にとっての死活問題にまで発展している現状を，「レアメタルパニック」と称している。 今のレアメタルパニックの特徴は，特定金属のみが高騰するのではなく，すべてのレアメタルの需要がデジタル革命により増加したことにある。 また先端技術分野において，その新機能材料を開発するためのレアメタルが不可欠になった背景がある。