グローバル競争を勝ち抜く－“攻め”の設計改革講座：第7回 “フロントローディング設計”実現への準備

摘要

「フロントローディング設計」を実現するためには，既述のように気が遠くなる準備作業が必要になる。 なぜなら，モノをまったくつくらずに1発でOKになる仮想試作·仮想試験を実現しなければならないからである。 このためには，絶対的に信頼できる仮想試作·仮想試験のための“ひな型モデル”が必須となる。 また，その信頼を裏付ける整理された各種ノウハウの形式知や対象機械の原理·原則も必須となる。 既述の例で筆者たちが行った3年間の準備期間とは，これらを積み上げる気の遠くなる準備段階であった。 そして筆者は，このような段階では，本番時点で以下に示す3つのポイントをバランス良く，かつ漏れなく押さえられるようなしっかりした準備を，これまで指導した各社に要求してきた（図10）。