機能·品質·生産性の向上に寄与する－真空浸炭の最新動向と活用のポイント：解説5 モジュール式真空浸炭炉と真空浸炭用鋼材

摘要

当社は，工業炉全般を製造·販売する機械事業部において，数百基の各種真空熱処理炉の納入実績を残している。 その中で近年の真空浸炭炉に対する関心の高まりに対応するため，当社は2004年6月に独ALD社から真空浸炭に関する技術導入を行い，同年末に実証用テスト炉を設置，本年より販売を開始した。 一方で，浸炭焼入用鋼を中心とする機械構造用合金鋼は当社の主力製品であるが，近年の生産高は約40万t/年に達し，これは当社の国内向け鋼材生産高の約33％に相当する。 本稿では，当社の真空浸炭技術に対する取組みとして，モジュール式真空浸炭炉「ModulTherm（モジュールサーモ）」の設備概要および真空浸炭用鋼の開発動向について紹介する。