機能·品質·生産性の向上に寄与する－真空浸炭の最新動向と活用のポイント：解説3 浸炭抜けの監視システムと拡散期の雰囲気制御で高精度かつ高効率な真空浸炭の実現へ

摘要

近年，環境問題がクローズアップされ，また処理材料の浸炭深さが深く，さらに処理部品の点数が増える傾向にある。 そのため地球温暖化ガスの排出ガスが少なく，かつ処理時間の短縮ができることより真空浸炭処理が注目されている。 真空浸炭は炉内の真空度を上げることや浸炭ガスを適正に使用することで，炉内の煤の発生が解決され，特定な部品についてすでに量産も行われている。 真空浸炭のメリットは下記の通りである。 ①浸炭時間が短縮できる；②真空浸炭·真空拡散処理では粒界酸化がなく，焼入後に不完全焼入層が生じない；③作業環境が良い；④浸炭ガスにアセチレンを使用すると炉内からは水素ガスを主成分とするガスが排出され，地球温暖化ガスはほとhど排出されない。 一方，真空浸炭のデメリットとして下記の点が挙げられる。