フレッシュマンのための金型加工のイロハ：第1回 工作機械と軸

摘要

筆者は、自動車部品のプレス金型製作の現場で、長年にわたり機械加工の応用技術の研究とCAMソフトおよび周辺ソフトの開発に携わってきた。そんな経緯から新人教育用に金型加工の基礎について平易に解説していこうと思う。現在まで機械加工は無人化、自動化、高速化の方向で進んでおり、その時々の機械性能の向上や、工具の進歩、加工材質の変化、CAD/CAMシステムの進歩によって加工方法が変化してきた。現在では、金型加工については、ほとんどの加工にCAD/CAMシステムが使われており、マニュアル加工や機械作業者がNCデータをつくって加工することは少なくなっている。また、金型製作期間の短縮が求められているために、前工程に重点が移っており、機械加工でも現場よりもNCデータ作成に重点がおかれ、CAD/CAMシステムの選定で加工方法が決まってくる状態である。そんな状況の中で、工作機械を操作したことのない人がCAD/CAMシステムを使ってNCデータを作成するケースが増え、自分でNCデータの作成ができない現場の機械作業者が増えている。そこで、NCデータ作成者と機械作業者の双方のために、NCデータの作成から機械加工についての基本的な考え方、これから学んでいくためのベースになる知識を提供していきたい。第1回は、工作機械と軸について考えたい。