インドネシアの概況

摘要

日本の産業界では、長引く円高により大手企業の海外への生産移管が止まらない。日本からの輸出よりも市場のあるところで生産する動きである。日本の中小企業は国内での受注減から海外に商機を求め、海外進出を余儀なくされている。アジア圏は北米、EUと並ぶ巨大市場として日本企業の進出が急加速している。しかし中国、タイ、ベトナムでは政治紛争、労働争議、さらに自然災害と、海外展開でのリスクに改めて気がつかされたのではないだろうか。尖閣諸島の国有化に反発する中国で起きた日本排除のデモ騒動は、中国のもつリスクを改めて浮き彫りにさせた。2011年のトヨタ社長のインドネシア増産発表は、2億4，000万人の市場として、また生産拠点としてインドネシアが一躍注目された。しかしインドネシアが市場として、また生産拠点として脚光を浴びてきたのはここ数年であり、インドネシアの実態が十分認知されているわけではない。過去には大規模暴動、ホテル爆破テロなどがあり、イスラム国家として懸念を抱く人も多くいるのが現実と思われる。