射出成形金型の成形品肉厚部対応·失敗事例とその改善

摘要

成形品設計のポイントは2つある。1つは抜き勾配をつけること、もう1つは肉厚を均一にすることである。要するに型で成形するからである。部分的厚肉部は固まるのに時間がかかり、成形サイクルが長くなる不利がある。また肉ひけ不良を起こしやすい。リブやボスは、部分的厚肉部となってリブの反対側正面に肉ひけができることになる。肉ひけは外観不良に分類されるが、その部分はわずかに寸法が不足することでもあるので、寸法不良と解釈することもできる。筆者は、射出成形の工程をショートショットステージ（樹脂が流動中で、金型の末端に達していない段階）とフルショットステージ（樹脂が金型の末端に達し、流動しなくなった段階）に分けて説明しているが、その説明では肉ひけ以外の外観不良はショートショットステージで発生し、肉ひけと寸法不良はフルショットステージで発生する。