マシニングセンタによる高精度·高能率加工法

摘要

工作機械の高精度化は近年ではごく当たり前のことになってきている．かつては機械の位置決め精度·繰返し精度·直角度·真直度などの「静的精度」で論議されていたものが，今は眞円切削時の真円度それも象限突起を含めた形の「動的精度」が問題視されるようになってきた．特に型加工においては，この精度が面品位を決定することもあってみがきレスを求めるユーザーからの要求は高い．さらに，長時間連続加工を前提として安定した精度も求められている．後者の要求を具体的にいうと「主軸回転による熱変位」から工場内の1日の室温変化に伴う機械全体の熱変位」の少ないことである．かつては，慣らし運転をして主軸の伸びが飽和した一定状態から仕上げ加工するとか，恒温室に入れた機械での加工とかが，ユーザー·メーカーとも暗黙の了解事項であったが，昨今の短納期化，コストダウン要求はこれらの事項にかかわってはおられなくなってきている．