高真空ダイカスト法による溶接可能部材の現状と問題点

摘要

近年、自動車部品に使用される高品質アルミダイカスト製品は、環境問題を背景にした軽量化ニーズにより、その用途は拡大傾向にある。 その拡大は高品質ダイカスト材製造法として、すでに実績を示している比較的厚肉で熱処埋が施される足回り部品から、アルミ車体構造での溶接可能な薄肉軽量化部材への適用である。 アルミダイカストの薄肉軽量化部材の自動車への適用は、すでにヨーロッパで採用され、その車種は日本へも輸出されている。 本部材の製法にはVACURAL法やMFT法などが知られているが、当社においても同部材の提供可能な鋳造システム構築を目的とした研究結果を02年のダイカスト会議で紹介した。 その後、幾度かの実驗を繰り返し、真空ダイカスト材の真空度と溶接品質、特に、ブローホールの確認試驗を実施した。 その中で得られた高真空ダイカスト特有の問題点と、その現状を本稿にて紹介する。