移動用リフト車いす有効性の検討（2）－座圧変化による褥瘡予防の観点より

摘要

リハビリテーション（以下、リハ）看護では、移乗介助でのスタッフの介護負担と患者の転倒·長時間車いす座位保持における患者褥瘡リスクが問題となる。我々は移動用リフト車いす『乗助さん』を臨床現場に導入し企業と共同で改良している。前回は介護負担軽減を筋電波形分析から裏付けた。今回は患者側の褥瘡リスクについて検討した。対象は健常人6名（男：女＝3：3、年齢：22～45歳、体重：45～83kg）であり、方法は被検者に『乗助さん』のフロント補助バーで前傾姿勢を指示し、通常座位と前傾姿勢時の座圧力分布を測定した．その結果、『乗助さん』による前傾姿勢時に坐骨部圧は全員で著明に減少した。よって、本機は裾瘡リスクを軽減する可能性のあることが裏付けられた。