支援機器利用効果の長期的変動に関する評価尺度の開発－デュシェンヌ型筋ジストロフィー者のパソコン利用を対象として

摘要

支援機器の利用効果の測定においては，機器導入の前後を比べる方法が多くとられる．しかし，その利用効果は個人の障害の状態変化やライフイベントにより逐次変化していくと考えられるものの，そうした変化をとらえられる尺度を用いた評価は今までに行われていない．そこで今回，支援機器利用効果の長期的変動を評価するための尺度を作成した．個人の障害の状態変化やライフイベントを時間軸上にプロットし，その時間軸に沿って，機器の導入により変化すると考えられる能力等の自己評定値を時間軸に沿って記入する本人回答型の尺度である．この尺度を用いて，デュシェンヌ型筋ジストロフィー者のパソコン利用による自己効力感の変化を測定した．本発表では本スケールの妥当性，長所·短所やその他の評価場面への応用について論じる．