実時間の状況と整合した地図サービスへの仮想ネットワークの適用に関する一考察

摘要

現状の地図サービスは，CGに加え，航空写真や街並写真などの静止画像を組み合わせることにより，高度化を目指しているが，静止画像であるが故に実時間との整合性が取れていない．そこで，本稿では，様々なカメラ映像を地図へ応用し，リアルタイムの映像とCGを組合せ，実時間との整合性を向上した地図サービスを考える．本サービスの実現には，膨大な映像情報の伝送と映像のレンダリング処理が必要であり，負荷分散制御が求められる．しかし，変動要因が多岐に渡るため，ネットワーク資源や処理資源などの物理資源利用の効率性を実現する負荷分散を考えた場合，既存の単一なネットワーク上では複雑な最適化問題に帰着してしまい，解を導き出すのが困難となる．そこで，本稿では物理資源とサービス要求の間に中間層となる，仮想ネットワークの概念を取り入れ，負荷分散制御における最適化問題を簡素化したうえで，物理資源上にマップするアプローチを提案する．