国債から日本財政を考える

摘要

日本が抱える借金は、2009年度末の時点で882兆円に達しており、近い将来、1000兆円を超えるといわれています。年間の税収が^兆円前後の規模ですから、債務がいかに膨大なものか分かります。財政破たんを危惧(きぐ)する声は高まる一方ですが、いったい日本の財政はどのように運営されているのでしようか。今月は債務の大部分を占める「国債」をキ—ヮ—ドに、赤字財政の実態に迫りたいと思います。皆さんもご存じの通り、国債とは政府の借金証文です。実は法律上、国債を発行してI借金によつてI財源を確保することは禁じ手とされています。しかし1965年の不況時、戦後初めて「例外的に」発行されてからというもの、「国債発行による財源の補てん」という構図は次第に定着し、今日では常とう手段となっています。