ラテンアメリカにおける鉱業の持続性に対する国連の視点

摘要

2002年2月6日水曜札束京外国語大学百周年記念教育研究振興基金はエドゥアルド·アルフォンジ·チャパロ＝アビラ氏（Eduardo Alfonso Chap-arro Avila）を講師に招き，「開発と環境問題にこ閲す、る国連の役割」と題する講演会を行った。 チヤパツロ＝アビラ氏は，国連ラテンアメリカ·九リブ経済委員会（英語の略称はECLAC，スペイン語略称は6EPAL，スペイン語関係者を中心とする講演会であったので本稿ではCEPALを略称として使用する）天然資源インフラストラクチャー局経済担当官としてラテンアメリカ·カリブ諸国の資源問題をつぶさに見てきた。 例えば，アマゾン流域などの，違法な金鉱石発掘によって引き起こされる水銀汚染の背後にある貧困層の問題は，同氏が力を傾注して取り組んできた問題の1つで，その成果は，国連の報告書によって広く知られている。現場での体験に基づいた氏の話は，専門家にとってはもちろん，ラテンアメリカの環境問題に広く一般の聴衆の注意を喚起することにも大きく資する貴重なものとなった。 以下は，氏の講演から要点を幾つか抜き出したものである。 CEPALは国連に設置された5つの地域委員会の一つであり，本部はチリにある。 その設立目的は，ラテンアメリカの経済発展に寄与すること，発展促進のための経済活動を調整すること，そしてラテンアメリカ諸国内，あるいはその他の地域の国々との経済関係を強化することであった。 その後，対象地域をカリブ諸国にも広げ，さらに経済発展だけではなく社会党展の促進をE］的に加えた。 CEPALの考えは，経済的社会的政治的変化，また地域あるいは世界の変化に呼応するダイナミックなものである。CEPALは史的構造主義と呼ばれる独自の分析手法に基づいた研究を行っている。 これは，先進国とは異なる特徴を持った発展途上国の経済環境を条件づける制度や生産構造を分析するものである。 この子法によって，皐華PALは，ノ「ラテンアメリカ地域には統一的に説明できる『段階的発展』はない」という，それまで認識されていなかった事実を明確に指摘した。