ノルム（NORM）と環境放射能--最近の動向

摘要

原子力発電所の放射能については，かなり厳しく規制されています。 ホンのちょっとの放射能漏れがあったとしても大事件の扱いですが，これはハインリッヒの法則の如く，ちょっとのミスの繰り返しが大きな事故につながるため，注意喚起の意味でそれはそれで結構なことです。 しかし，環境レベルの放射能については，これまで私たちはあまりにも鈍感であったのかも知れません。 人工の放射線や原子力発電所の放射線も環境に存在する放射線も，同じ放射線です·かといって，環境レベルの放射能に恐怖心を抱かせたり，放射線防護をしようとか言っているのでは決してありません。 むしろ過剰な対応をしないで欲しいと願っています。 環境レベルを知るとともに，低放射線の影響議論を通して安全レベルを明らかにしていくことが，安全·安心のために重要と思われます。 放射線は，毒にも薬にもなります。 生活に利益を与え，病巣を攻撃して治療を行うこともできれば，道に病気を引き起こすこともできます。このように放射線も自動車や薬物の利用と同じで，正しい理解と適切な利用とが重要なこととなっています。 更に大げさに言えば，何事にも当てはまることですが，人類の誕生以来私たちは急激に自然を変えてきてしまいましたが，人類が永らえるためにはありのままの自然との調和と共生を常に考えていくことが必要でしょう。