東シナ海ガス田開発--日本側も開発に向け動く

摘要

日本政府は、東シナ海の海洋権益確保に関し、平成17年度予算で海洋資源の試掘を含む調査費に約130億円を計上した。 今年度予算で試掘を含む調査費が約38億円だったのを一気に三倍強に増やした。 海洋資源探査船の建造費の一部として101億円も盛り込むことになった。 資源探査船は設計·建造に総額200億から240億円かかる見込みで、地震波を使って地質構造を立体的に把握する三次元探査を可能にする装備を持つ。現在日本政府は保有していないため、04年7月から排他的経済水域（EEZ）の日本側海域で行われている海底地質調査にはノルウェーのチャーター船が使われている。 中国が日本の抗議を無視する形で東シナ海におけるガス田開発を進めていることに対し、独自の調査態勢を整える意思を明確にするねらいだ。 東シナ海では、日中両国がEEZを設定できる海域が重なっているため日中の境界線は未だ画定していない。 国連海洋法条約は、境界をめぐって対立している海域について「関係国は…‥最終的な合意への到達を危うくしまたは妨げないためにあらゆる努力を払う」と定めている。 このため中国が東シナ海で言方的にガス田開発を進めていることは、同条約規定に明白に違反している。 中国は92年に尖閣話島の領有を国内法に明記し、東シナ海における海底探査活動を本格化、99年には日中中間線から中国側に約70キロメートルの海域で「平湖ガス田」を開発し、03年8月からは、中間線から中国側に約5キロメートルの海域で「春暁ガス田」の開発に着手している。