日本近海の座礁·沈没船のデータベースと環境に及ぼす潜在的危険度

摘要

座礁船や沈没船に搭載されている燃料油や貨物油が船外に流出した場合，海洋環境を汚染し，漁業に影響したり，経済的損失などが発生する．それらの被害を少なくすることを可能にするためには座礁船や沈没船に関する資料を収集し，環境への潜在的危険性について検討したデータを有する必要がある．そのため，海上技術安全研究所では1900年から2004年の間に日本近海で発生した座礁船と沈没船に関し調査を行い，その調査結果を電子ファイル化しデータベースを作成した．本報告では，このデータベースの内容，沈没船データの地図上への表示，及びデータを用い沈没船からの油流出による沈没船間の相対的危険度について検討した結果を示す．