二酸化炭素削減技術の最新動向--過去100年で約30%増加したC02にどう対処していくか

摘要

産業革命を契機にして、人間の活動はこれまでとは比較にならないほど飛躍的に高まってきた。 たとえば、地殻内に長期間保存されていた化石資源が大量に取り出されるようになり、エネルギーや鉱工業原料として大量に使用されるようになった結果、廃棄物として多種多様な物質が環境中に放出されており、それらによっていわゆる環境問題が引き起こされるようになった。 特に、初期の環境汚染は、はなはだしい環境破壊や人命の損失などをもたらし、公害問題として大きな社会問題となった。 しかし、それらはあくまでも局地的な現象にとどまっていた。 ところが、最近の環境問題は、成層圏のオゾン層破壊や地球温暖化など、汚染の範囲が地球規模に広がってきているのが大きな特徴であり、人類の生存そのものを脅かす重大な脅威となりつつある。 実際、化石燃料（炭化水素）の大部分は燃料として使用され、その炭素分の大部分は二酸化炭素（CO2）として大気中に放出されている。