加水分解小麦によるアレルギーについて

摘要

2009年秋の日本アレルギー学会で，国内で初め て（旧)茶のしずく石験に含まれていた加水分解小麦 (ダルパール19 S)による即時型小麦アレルギー（以 下，「（旧）茶のしずく石鹼小麦アレルギー」と表記） の事例が報告されて以来，（旧）茶のしずく石験小麦 アレルギー患者は増え続け，大きな社会問題となつ ている.これらの事例の多くが，当該石鹼を使っているう ちに小麦を食べるとショックになるという重篤なァ レルギ一症状を呈すること，その原因が石験に含ま れる加水分解小麦であり，予想外の感作経路であつ たこと，（旧）茶のしずく石鹼の使用者が多かったた めに（約460万人)患者数も多く発生したということ が特徴となっている.現在，私どもの研究機関や日 本アレルギー学会等で，情報収集と分析，原因の解 明研究，予後の調査などが行われている.