高コレステロール血症のスタチン使用不可または無効例に対するコレステロール低下療法におけるジレンマ

摘要

スタテンは幾多の大規模臨床試験の中で有効性のみならず安全性も証明されてきており，その忍容性は優れている．コレステロール低下療法の有用性と危険性の双方に関する議論に終止符を置いたのは，スタチン治療がもたらす臨床的利益そのものであった．ゎが国のエビデンスとしてはMEGAスタディの成績が発表され，pravastatin治療による有効性と安全性（横紋筋融解症はなく，CPKの異常出現率もコントロール群と同様）が証明された．しかしながら，2003年に発表された成績によると，31個のスタテン（cerivastatinの試験を含む）を用いた対照比較試験の結果，筋症状はスタテン群で51例，コントロール群で56例であり，横紋筋融解症はそれぞれ7例，5例と同様であった．