ラリンジアルマスクを用いた筋緊張性ジストロフィ症患者の胃切除術の麻酔

摘要

筋緊張性ジストロフィ症患者は,さまざまな麻酔管理上の問題があり,筋緊張性ジストロフィ症の進行程度や手術対象となる疾患により麻酔法は異なる。 今回,筋緊張性ジストロフィ症患者の胃切除に際して,ラリンジアルマスク(LMA)下でプロポフォール·硬膜外麻酔で麻酔管理をし,良好な結果が得られたので報告する。 3歳時に,右下肢の筋力低下で小児麻痺の診断を受けた。 32歳ごろ,握った手が聞きづらいこと(grip myotonia)に気づき,徐々に両上下肢の筋力低下·萎縮が進行した。 35歳時に筋生検の結果,筋緊張性ジストロフィ症と診断された。