ビタミンDは安全性の高い薬と開きますが，過剰症はどのようなケースで起こるのでしょうか？初期症状や添付文書に記載される「Ca値の定期的測定」の具体的期間，また発現時の対応などもあわせて教えてください．

摘要

現在頻用されている短時間作用型の内服用活性型ビタミンD製剤〔1α（OH）D3，1，25－（OH）2D3〕は比較的安全な薬剤であるが，ビタミンDが脂溶性のどダミンであるために，副作用としての過剰症が知られている．ビタミンDの過剰は，腸管からのカルシウム（Ca）吸収の克進と骨からのCa放出を促進し，尿中Ca排泄量が増加する．その排泄量が，腎からのCa排泄開催を超えると高Ca血症が生じてくる．ビタミンD製剤の副作用は高Ca血症を伴わない非特異的な消化器症状，肝機能障害も0．1～5％程度とされているが，臨床上問題となる過剰症は高Ca血症に基づくものが主であるので，本稿では，活性型ビタミンD製剤の内服による薬剤性高Ca血症（高Ca尿症）に関する留意点につき概説する．ビタミンD製剤の静注パルス療法や乾癖に対する塗布療法などの場合については，他偏に譲る．