慢性心不全の予後を改善するために薬物療法と併せて運動療法が有効と聞きます．どのような身体的効果があるのでしょうか？

摘要

慢性心不全患者では，労作時に息切れ·呼吸困難や疲れやすさ（易疲労感）などの自覚症状（運動耐容能低下症状）が出現し，運動耐容能の指標である最高酸素摂取量（peak VO_2）は低下する．ところが，このpeak VO_2の低下は安静時左室収縮機能（左室駆出率：LVEF）の低下と相関せず，むしろ骨格筋の筋萎縮や筋力低下と相関することから，慢性心不全患者の運動耐容能低下の直接的な原因は左室収縮機能低下よりも骨格筋の機能低下（すなわち末梢機序）にあると考えられている．