誘導炉溶解プロセスにおける電気エネルギー低減へのヒント（その2．溶解原単位を下げる基本とその手法）

摘要

一番下のラインが溶解金属により決まる必要エネルギーの理論値e_0であり、その上のラインが設備の保有するロスLmと誘導炉の設備仕様値である。この仕様値に各事業所での操業ロスL_oを加味した結果が各社の操業バラツキである。同じ炉設備でも操業状態により大きく電力原単位がバラつくことが理解できよう。設備そのものの効率向上·設備ロス低減はメーカテーマとして開発がなされてきた結果、現状ではこの設備損失を削減する余地はわずかな範疇となってしまっているのに対し、操業損失を低減させることは誘導炉の特質を理解した操業をすることで大きな改善余地がある。まず自社の実態はどうなっているのか、他社と比べてどこの位置にあるのか、溶解工程におけるエネルギーロスがどこにどれだけあるのかなどを把握し、明確にすることが有効対策の一歩となる。