JR東日本における無線を用いた列車制御に関する動向

摘要

JR東日本では会社発足直後から，今後の信号システムのあるべき姿として，システム全体としての設備数削減のため，軌道回路を必要とせずに列車位置把握を行う，無線を活用した列車制御システムを検討してきた．このような無線による列車制御システムでは，従来のような地上主体のシステムから，車上装置が自ら列車位置を認識し，停止制御を行う車上主体のシステムへの変化が必然的に求められる．JR東日本では，新幹線のDS-ATC，在来線のD-ATCと車上主体の列車制御システムの実績を積み，新幹線の代用保安時に使用する無線を活用したATCとして，2010年4月からRS-ATCを使用開始し，一方，在来線では本年10月に無線を用いた新しい列車制御システムであるATACSを使用開始する．また，地方交通線の電子閉そく装置置換にあたり，無線を活用した新しい保安システムについても，検討及び現車試験を実施している．