フリクションスポット接合ロボットシステムの開発と実用化

摘要

昨今，ガソリンは比較的低価格で推移しているが，環境保護の観点から温室効果ガスの排出量規制はこれまでにも増して厳しくなっている．また，自動車産業においては，エンドユーザの関心の影響で燃費が過大視されていることも否めない．一方，新興国における自動車の需要は爆発的に増えており，これまでとは比較にならないペースで自動車台数が増加している．自動車車体の軽量化に関しては，軽量かつ高強度な高張力鋼やFRPも使用されているが，欧州を中心としてアルミニウム合金の適用が依然として拡大している．従来の鋼であれば抵抗スポット溶接で効率よく接合できていたが，アルミニウム合金については多くの課題を残している．フリクションスポット接合（以下FSJ）は，アルミニウム合金を効率よく接合するために開発され実用化されている剛．本解説では，開発当時（2004年）からのニーズの変化ならびにその対応について紹介する．