クローラロボットの自己位置推定を目的とした駆動電流から滑り率を計測する方法の検討

摘要

筆者らは，クローラの履帯と走行路面との物理的相互関係に基づいて滑り率を求めることを考え，左右クローラの滑り率を，各クローラを駆動するモータの発生電流から推定する手法を考案した．これは，履帯を駆動するモータの発生力と走行路面に生じる駆動力との関係をモデル化し，定式化することで，モータの発生電流と滑り率の関係を明らかにするものである．本手法に基づき，発生電流から推定した滑り率を自己位置推定に利用することで，推定精度が向上することが期待できる．以下，その原理と検証結果について記す．なお，本稿の第2章に記す，クローラと地面との力の相互作用については，文献［12］[13］を参考にしている．