顔面各部の広い可動域および顔色により豊かな表情表現が可能な2足ヒューマノイドロボット頭部の開発

摘要

筆者らはまず，KOBIAN頭部の外観デザインにおいて高い感情認識率を得る表情を見つけるために予備実験を実施した．この結果により，KOBIAN頭部の外観デザインには，人間の表情を模した表現より漫画などで見られる人間の表情をデフォルメした表現（以下漫画調の表現）が有効であると示唆されたため，漫画調の表現を得意とする漫画家に表情の作成を依頼した．作成された表情から基本6感情それぞれの高い認識率を持つ表情を得た．これらの表情を実現するためには，旧頭部に比べ大幅な自由度の増加，顔面各部の可動域の拡大，顔色の表現の追加が必要となった．これらの解決のため顔面各部に向けて新機構を設計し，大幅に小型集積化した24自由度を搭載した．頭部の実装スペースの問題を解決するため，筆者らは小型のモータコントローラユニット[15]を開発しており，本研究ではこれを新頭部に用いている．最終的に筆者らは新頭部を搭載したKOBIAN-R （KOBIAN-Refined）を開発し，この新頭部の評価実験の結果，表情認識率の向上が確認できたため，ここに報告する．