ガスタービン用コーティング技術：CO{sub}2回収対応クローズドガスタービン用遮蔽コーティングの開発

摘要

わが国では電気事業からのCO{sub}2排出量が全体の約1/4を占めており，CO{sub}2排出量削減の観点から，火力発電のより一層の高効率化が期待されている。現在，ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電プラントでは，1500℃級ガスタービンが登場し，プラント熱効率50％を超える高効率化が実現されている。 さらに，発電分野におけるCO{sub}2排出量の大幅低減を目的に，より一層の高温·高効率化を目指した超高温ガスタービン発電システムの研究開発「二酸化炭素回収対応クローズド型高効率ガスタービン技術の開発第I期研究開発」が新エネルギー·産業技術総合開発機構(NEDO)により進められた。 本プロジェクトは，「水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第I期研究開発」(1993～1998)における水素燃焼タービンの研究開発成果を活用し，メタン(LNG)·酸素燃焼による1700℃級ガスタービンを用いたクローズドシステムによって，排ガス中のCO{sub}2を全量回収しつつ，発電端効率60％(HHV)以上の発電システムを開発するものである。 プロジェクトの第I期研究開発は1999年度から5ヵ年の計画で開始されたが，政策的判断により2001年度に終了した。 ここでは，プロジェクトにおいて実施されたタービン翼用達熱コーティング(Thermal Barrier Coating: TBC)の開発内容の概要を紹介する。