中小容量ガスタービン技術：中小容量ガスタービン特集号によせて

摘要

本特集号は，産業用および航空機エンジン転用の中小容量ガスタービンの最近および将来に向けての動向を展望したものである。ガスタービンの歴史を振り返ると，その開発は20世紀前半にさかのぼる。 産業用ガスタービンでは，1939年スイスのBrown Boveri & Cie社（現Alstom社）がNeuchatel市に納めた製品が世界初の発電用ガスタービンである。 このガスタービンは，軸流圧縮機20段，圧力比4.4，軸流タービン7段で構成され，出力は4,000kW，タービン入口温度537℃，熱効率は17.4％であった。 一方航空用はよく知られているように，英国のパイロットであったF. Whittle卿がターボジェットエンジンを設計し1930年に特許を取得した。 しかし研究開発への政府の支援もない状態で，彼は独力で単段の遠心圧縮機と単段の遠心タービンからなる"the Whittle Unit" (WU-1)と称すエンジンの試験に1937年成功した。 その後W1ジェットエンジンを完成させそのエンジンを搭載したジェット機（グロスター機）は，1941年世界初の飛行に成功している。 W1エンジンの推力は1000lbであった。