中小容量ガスタービン技術：カワサキガスタービンM1A-13シリーズの開発·技術仕様,運転実績等の紹介

摘要

近年，大地震や台風など自然災害が増え，非常用発電設備が稼働する機会が少なからずある。 非常用発電設備では，冷却水が不要であることや回転体であるため振動が小さいという点などからガスタービン発電設備の需要が増えている。 また，半導体製造分野など電力の安定供給が必須である工場の常用発電設備として，環境負荷の小さいガスタービンが注目されており，ビルや病院などにおいては，非常用兼用機としての常用ガスタービン発電設備も多く納入されている。 川崎重工業では，これらの市場に対応するべく1976年に国内初の純国産ガスタービンS1A-01を駆動源とする非常用発電設備PU200を量産化し，それ以降様々な出力·用途に対応すべく開発を重ねてきた。 現在，非常用発電設備では最大出力5200kW，常用発電設備では18MWまでを商品化している。 本報では，常用発電設備の原動機として，開発以来順調に納入実績を伸ばしているM1A-13の開発·技術仕様，環境対応型及びトルクリミッタ搭載型のM1A-13シリーズ，最後にM1A-13の運転実績について紹介する。