過酸化物添加によるポリ（L－乳酸）の成形加工性の改良

摘要

しかし，溶融張力を改良する方法としては，いくつかの短所が挙げられる．1）の方法では高い溶融張力が得られる．しかし，溶融体の粘度が高くなるために押出特性を悪くする．2）の方法も溶融張力の改良効果は小さい．一般的に単分散のポリマーに比べて，多分散ポリマーの方がやや高い溶融張力とひずみ硬化性を示す．3）のポリマーブレンドは，一般的に最終製品の物性改良のために行われるもので，溶融張力の改良の効果はほとんど無い．本報告ではポリ（L－乳酸）の溶融張力を改良する方法として，過酸化物変性によってポリ（L－乳酸）に長鎖分岐を導入することを検討し，実際にダイレクトブロー成形機を用いて成形を行い，過酸化物変性がダイレクトブロー成形品の肉厚分布に及ぼす影響を検討した．