多層ポリエチレンフィルムのピーラブルシールにおけるシール後の冷却条件と滅菌処理前後のシール強度変化の関係

摘要

ヒートシール時のシール界面温度を測定することで，フィルムのシール界面での温度が4sでほぼ平衡に達することが判った．また，シール後の冷却条件を変えることでヒートシール強度は変化するが，放冷した場合が一番低くなることが判った．熱処理によりヒートシール強度は全条件において低下したが，シール後に急冷した場合に低下の幅が最も大きかった．なお，SEM観察等の結果から，ヒートシール強度の熱処理による低下について，シール界面（シール層材）の結晶化に伴う構造変化が大きく影響している可能性が示唆された．生産での工程時間の短縮と放冷による外観のシワ発生抑制も併せて考えると，冷却工程は必須と考えられる，よって，本実験の条件においては，80℃で冷却を行うことが，熱処理前後の強度差も少なく最適との結論に至った．