高温処理によるバナナ果実の低温耐性付与、特に抗酸化物質の増加と抗酸化酵素の活性化

摘要

低温貯蔵は収穫果実の鮮度保持には最適であるが、バナナのような熱帯亜熱帯果実には低温障害が発生するため適用できない。一方、ヒートショックのような緩やかなストレスを与えると植物組織はその外のストレス耐性が付与されることが知られている。すなわち、高温処理を行うと活性酸素種（ROS）の生成が誘導され、次いでROS消去機構、すなわちSOD、パーオキシダーゼ、カタラーゼなどが活性化される。本研究はバナナ果実の低温障害改善策として高温気浴処理を試み、効果と作用機構について検討したので報告する。