窒化ポテンシャル制御によるガス窒化処理について

摘要

窒化ポテンシャル（K_N）制御を用いたガス窒化処理は、ヨーロッパを中心として既に普及が進んでいるが、国内でもここ数年で生産性の向上や機械的特性の向上に対する関心の高まりから普及が進んでいる。雰囲気制御の目的は、炉内のK_Nを制御することにあり、鋼材表面に生成する化合物層で、実用上重要なγ'相（Fe_4N）の制御や化合物層レスが再現性よく処理できる。一方、窒化条件の最適化には、多くのトライ＆エラーを必要とすることから、窒化条件を最適化するための窒化特性予測技術活用が効果的である。以下では、K_N制御型のガス窒化処理設備や原理、また窒化特性予測技術の一例として表面相構造の予測手法について概説し、最後に応用事例としてγ'単相化処理プロセスについて紹介する。