エチレンがリョク卜ゥモヤシの高温耐性に及ぼす影響

摘要

収穫後青果物のェチレン処理が貯蔵中の高温耐性に及ぼ す影響を議論するため，制御された環境で栽培されたリョク トウモャシ葉部をェチレン処理した後に高温処理し，外観と生理的特性の変化を調べた.ェチレン濃度50 ppmで3日間 前処理すると，高温ストレス環境（50 deg C，120分）曝露後の 葉部における壊死発生（外観品質の低下）の遅延と軽減が誘 導された.さらに，エチレン処理することによって，50 deg C, 60分の高温ストレス環境下におけるイオン漏出割合（ィォ ンの膜透過性）の抑制が観察された.一方，呼吸速度や膜脂 質の過酸化程度には，エチレン前処理の影響は見いだされな かった.これらの結果は，リヨタトゥモヤシに対する収穫後 のエチレン処理によって，高温ストレス耐性が誘起されるこ とを示しており，エチレンには高温障害に関連する膜損傷を軽減する作用があることが示唆された.以上の知見は，収穫後青果物の高温障害の抑制に対するュチレンの効用を検討 することの重要性を示唆している.