クルメッツジと有鱗片シャクナゲ（ヒカゲッッジおよびゲン力イツッジ)との種間交雑

摘要

クルメッッジの変異拡大を目的に，クルメッッジ品種の 交雑相手としての有鱗片シャクナゲの有用性を検討した. ヒカゲッッジぉよびゲンカイッッジ各1個体を花粉親に用い，クルメッッジ8品種に交雑した.交雑隔離の程度およ び得られた実生の特性を，以前に行なったキレンゲッッジ を花粉親とした場合と比較した.ヒカゲッッジを花粉親と したとき，白子の発生が著しかった.ゲン力イツッジを花 粉親としたとき，不発芽および白子の発生が著しかった. 従って，これらの交雑では，キレンゲッッジを花粉親とし たときょりも交雑隔離が強いと評価された.実施した16交 雑組合せ中，クルメッッジ'呉服'x ヒカゲッッジから健 全な生育を示す実生が12個体得られた.それらのうち，5 個体が交雑5年後に開花した.花の大きさはクルメッッジ 品種と同大であった.葉は革質で，両親よりも強い光沢を 伴った.これらは，キレンゲッッジを花粉親とした交雑か ら得られた実生にはみられない園芸的利用価値の高い特性であった.雑種実生4個体についてPCR-SSCP分析を行つ 亡結果，色素体DNAは父性遺伝していた.