乳飼比、飼料効率が示す改善策常に乾物摂取、乳量への影響を確認する

摘要

酪農経営を考える中で、生産費に占める 割合が最も高いのは飼料費であることは明 確な事実である。農林水産省の調査結果で は、搾乳牛での通年換算1頭当たりの牛乳生産費に占める飼料費の割合は約44%とな つている。この飼料費の内訳を見ると、流 通飼料費と牧草、放牧、採草費に分けられ るが、そのほとんどを占めるのが流通飼料 費いわゆる購入飼料費（購入飼料とは、一 般的に配合飼料、輸入乾牧草飼料、その他 添加剤を指す）となる。この購入飼料費が 高レレベルにあるかどうかを見極める指標 として、一般的に「乳飼比」がよく使われる。乳飼比とは「乳代のうち、購入飼料費が占 める割合」を意味し、総購入飼料費/総乳 代x100で計算される。自給粗飼料の生産基盤がなく、給与する 飼料が全て購入飼料の場合、乳飼比は50% 以下となるようにしたい。ただ、この乳飼 比とはあくまでも指標となる数値であり、 酪農を経営成績として評価する際は、乳代 から費用を差し引いた収益で判断すること になる。例えば、1頭当たりの牛群の平均 日乳量が35kgを達成してレ、ても、疾病治療-淘汰が多ければ、それに関わる費用が膨ら み、結果として十分な収益を確保している とはいえない場合もある。逆に、平均乳量 が30kgでも、繁殖成績が安定して分娩間隔 も短く、疾病、淘汰が少なければ、無駄な 費用が発生せず、前述の例よりも、収益を 確保できるかもしれない。