成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震による 津波被災農地の堆積物、土壌の理化学的特徴

摘要

2011年3月11日に三陸沖を震源とし，地震の規模が M9.0の巨大な東北地方太平洋沖地震が発生した。本地 震に伴い最大波高が3-6mを超える大津波が発生し(気 象)？, 2011),東北地方から関東地方の太平洋沿岸に甚 大な被害をもたらした。この津波による海水浸水面積は561km2で（国土地理 院，2011)，このうち農地の面積は約266 km2に及んだ (農林水産省，2011)。津波により冠水等の被害を受け た農地は，耕地面積あたり宮城県で11%,福島県で4% と，この2県が特に多い。また，津波以外の被害を含め た本地震による農業に関する被害、破損箇所と被害額は，農地17,456力所で4,012億円，農業用施設等21,457 力所で3,658億円と，極めて甚大である（農林水産省， 2011,11月7 B時点）。