Impulse Cを用いた車載向け低コスト顔向き認識システムのFPGAへの実装

摘要

脇見運転は自動車事故原因の約16％を占め、国内外の各自動車メーカーがさまざまな対策を講じている。現在の脇見運転防止するシステムの大半は、可視光領域をカバーするカメラと画像処理アルゴリズムを用いて顔の向きを認識するものが大半である。これらのシステムの問題点として、汎用プロセッサを用いて画像処理を行うためこその部品点数や開発コストが高くなってしまうことが挙げられる。カルソニックカンセイ（株）では、先行研究として赤外線カメラと比較的簡易なアルゴリズム、FPGAを組み合わせた安価な脇見（顔向き）認識システムの開発を行っている。本研究では、アルゴリズムをFPGAへ実装する際にRTLではなく高位合成言語であるImpulse Cを用いた。高位合成言語は、標準ANSI-CからRTLを自動生成することで開発期間の短縮化を図るものであるが、最適化には一定の知見が必要となる。本研究では、Impulse Cを用いた顔向き認識アルゴリズムのFPGAへの実装·評価とそれに伴う最適化について述べてゆく。