【細胞内コレステロ丁ル調節機構】

摘要

コレステロールは生体にとって必要不可欠な成分であり，生体内におけるコレステロール含量は，細胞レベル，個体レベルで厳密に制御されている。 生活習慣病の主症状である高脂血症では，血中のコレステロールレベルが上昇し，これが動脈硬化症などの原因となる。 このような病態では，コレステロールホメオスタシスを調節する何らかの機構に異常を来していると考えられ，コレステロール制御機構を理解することば生活習慣病の予防，治療の上で極めて重要である。 　 本稿では，細胞内コレステロールホメオスタシスを維持する機構として，コレステロールの取り込み，合成「排泄の三つの過程に分けて概説し，さらにコレステロールホメオスタシスに関わる最近のトピックスについても紹介する。