北海道中西部，北部およびサハリン（ロシア） 南西部日本海の海洋環境とコンブ藻場の比較

摘要

リシリコンプSaccharitia japonica var. ochotensis (以下コンブと略す）は.北海道北部日本海の重要な漁業資 源であり.これまで様々な研究が行われてきた。し かしながら，近年その生産量は減少する傾向にありその原因の一つとして，海洋環境の変動（特に冬期の水 温上昇と，これに伴う貧栄養化）が考えられている。こ れまで.水温7)'8)や栄養塩濃度がコンブの初期生長や成 熟に大きく影響することが室内実験により確かめられ， 野外では施肥試験が実施されている。これらの成 果が.漁場で適用できるのか検討するためには，海洋環境とコンブ藻場の状況を同時にモニタリングしたデータ を解析する必要がある。しかしモニタリング調査は現在 も継続中な事例が多く，特に北海道北部では解析が端緒 についたばかりである。