漁船主機の運転方法が燃料消費量に及ぼす影響

摘要

近年，漁船用燃料価格は70円／Lまで急騰した。これは，1973年の第1次オイルショックの30円／L，1978年の第2次オイルショックの80円／Lにつぐもので，漁業経営に深刻な打撃を与えている。この対応策として，漁船漁業では船体，機関，漁業機械，冷凍装置などの適正な運転および保守，更にLED集魚灯などの新技術の導入による燃料消費の削減方法が提案され，実施されている。　業界団体である全国漁業共同組合連合会においても，漁業者向けにパンフレット等を作成し，啓蒙活動を行っている。機関に対しては，適正な運転および操作，適切な点検および保守を奨励している。前者では，暖機運転，急激な負荷変動を与えない，過負荷での使用を避ける，などを，後者では機関の潤滑油，冷却水および供給空気の適正管理や，各系統の機器整備の実施を挙げている。