植食動物の除去による藻場回復の実践， 長崎県大瀨戸での取り組み

摘要

長崎県の西彼拃半島北部に位置する西海市の大瀬戸地 区では，タコ等の沖合漁業が.卞体であり，磯根資源に対 する依存度は低かつた。近年の沖合漁業の不振に伴い， 春に地先のゥ二を獲る漁業者が増加し，磯根資源の重要性は高まってきた。しカゝし，1995年頃から磯焼けが発生 し，投石による築磯ゃ藻礁（海藻バンク）の設置などの 対策が実施されてきたが，カジメ場などのように周年直 立体が認められる四季藻場は消失し，春から初夏にのみ 見られる春藻場が海域の一部に形成されるだけで，磯 焼けが広範囲で常在化するようになった。その結果，ァ ヮビ等の磯根資源も激減し，ゥ二の身入りも悪い状態が 続いている。このため，本地区の磯焼けを憂う漁業者の 有志（10数名）と（社)水産土木建設技術センタ一が「大瀬 戸地区磯焼け対策部会」を2007年7月に組織し，対策の目標、場所、方法などを十分に話し合い，翌年5月より 具体的な対策を実施し，現在も継続中である（Table1)。