黒毛和種肥育牛の血槳ァ-グルタミルトランスフヱラーゼ（GGT)と月齢および血液成分との関連

摘要

黒毛和種肥育牛の飼料給与および各肥育ステージにおける血液成分の変動を調査し，肝障害の指標としての血槳y-グルタミルトランスフヱラーゼ（GGT)値との関連を検討した.供試牛は 青森県内の5農場で飼育された8-32力月齢の黒毛和種肥育牛305頭で，肥育前期（9-13力月齢：69 頭），肥育中期（14-18力月齢：70頭)，肥育後期（19-23力月齢：95頭）および仕上期（24力月齢-出 荷まで：71頭）の各肥育ステージに分類した.血漿ビタミンA (VA)および/?-カロテン値は肥育前期 に比べて肥育中期以降に低値を示した.血槳総コレステロール（TC)とGGT値は中期以降に，尿素窒 素（UN)値は後期に高値を示した.血清銅（Cu)値は中期以降に低値を示し，血清鉄（Fe)とセレン(Se)値は後期と仕上期に高値を示し，血清亜鉛（Zn)値は変化がみられなかった.血漿GGT値と月齢， 血槳UN, TCおよび血清Se値との間には有意な正の相関が，血漿GGT値と血槳VAおよび;9 -カロテン値 との間には有意な負の相関がみられた.血槳GGT値を目的変数とし，肝障害で変動する血清CuとZnを 除いた重回帰式（R~2=0.21，/K0.001)では，最も高い相対寄与率を持つ要因は月齢5396，次いで血漿VA 値25%，血漿UN値1496であった.以上の成績から，血漿GGT値の増加には月齢，血漿VAおよびUN値 が強く関連していることが示唆された.