乳牛の分娩後5週目における超音波検査と子宮内膜細胞診の 併用による子宮内環境のモニタリング

摘要

ゥシの分娩時には多くの個体において子宮感染 がおこっているせ,分娩後に子宮や頸管が修復す ることによって子宮内容物を排泄し，無菌的な状 態へと回復していく.しかしながら細菌を子宮内 から排除できずにそのまま感染が持続すると，そ の後の受胎性に悪影響がある.子宮疾患を早期に 判断し，治療することは繁殖成績の向上に直結する.我々は乳牛の分娩後3週から7週にかけて子 宮内膜細胞診を実施して子宮内多形核白血球の割 合（PMN96)の推移を調査，あるいは分娩後5 週から8週にかけて子宮内膜細胞診を行うととも に，超音波検査によって子宮角の直径の推移や子 宮内貯留物（FIU)の有無についての推移を調査 してきた.本研究では乳牛の分娩後5週目におけ る形態的な子宮修復と子宮内環境との相関につい て明らかにすることを目的とし，サイトブラシによる子宮内膜細胞診と超音波検査を実施して子宮 環境や卵巣状態のより詳細なモニタリングを行つ た.