治療に抵抗性であつた環軸椎回旋位固定の臨床的特徴

摘要

当院で治療を行つた環軸椎回旋位固定（atlanto-axial rotatory fixation ；以下，AARF)のう ち治療に抵抗性で，Halo vest固定を要した症例についてその臨床的特徴を報告する.対象は2001 年から2011年までの11年間に当科を初診しAARFと診断した38名中，内服?類推カラー固定. Glisson牽引で改善せず，全身麻酔下徒手整復?Halo vest固定を必要とした4名，男児2名，女児2 名.初診時年齢は平均6.5歳(5?8歳)，発症から初診までの期間は平均61.5日（30?120日），初回 の顏椎CTではFielding分類Type nが3名，Type mが1名であった.全例で全身麻酔下にHalo vest固定を行なった.3名は現在まで再発なく経過している力人1名は再発し他院で環軸椎後方固 定を受けた.諸家の報告の通り発症から長期間経過したAARFは難治性となることが多く，観血的 治療を要する可能性がある.