異なる様式のFAIを呈したSCFE症例の比較 画像所見と鏡視所見

摘要

【目的】異なる形態のFAIを呈したSCFE 2症例において画像所見と関節鏡視所見を比 較検討した.〖対象.方法】当院にてIn-situ pinning (ISP)を行い，その後screw抜去時に股関節鏡 視を行った2例について単純X線所見，CT所見，関節鏡視所見を比較した.症例AはISP後 Drehmann徴候が持続し，骨端線閉鎖後に関節鏡視，転子下屈曲骨切りを追カロした.症例BはISP 後Drehma皿徴候陰性で骨端線閉鎖後に関節鏡視，抜釘術を行った.【結果】症例Aは後方すベり 角59deg， alpha角107degで，鏡視所見では前方から上方にかけて関節唇損傷を認めた.症例Bは後方すベ り角57deg,alpha角106degで，鏡視所見では上方から後上方に関節唇損傷を認めた，また，CT上両者の骨 盤形態に明らかな差を認めた.〖考察〗両症例は単純X線上の後方すベり角，alpha角は同等であるにも かかわらずFAIの形態が異なり，後方すベり角，alpha角だけではSCFEとそれに伴うFAIの評価に は不十分と考えられた.また，CT,関節鏡による評価がFAIの病態把握に有用と考えられた，